後楽園ホール

ぼくの東京物語①

僕はいま、フランスとドイツの雑誌で、東京の街を紹介する1ページマンガを描かせてもらっていて(タイトルは『東京物語』)

今まさに新しいのを描いているところなので、今日のnoteはちらっとそちらを紹介します。


『東京物語』ではこれまで上野、銀座、浅草、雑司ヶ谷を紹介してきました。オズの魔法使いのキャラたち(映画『東京物語』の監督が小津だけに)に東京の街を紹介する形でイラストと文を描きおろしてきたのですが、

今回はポップさを残しつつも、より自分の感情が乗っているような絵にしたいと思っています。もちろん日本が誇る遺産や文化を絵におこし、日本のカルチャーを海外の方が知るとっかかりになったらそれはとても嬉しいことですが(そしてそれがこの連載の役割ですが)でもそれだけでは僕と読んでくれている人との距離はなかなか縮まっていかないような気がしています。

フランス人やドイツ人がパラパラとめくっている雑誌に、突然どこぞの東洋人の個人的な記憶や感情が飛び込んでくる方が、たぶん面白い。

なので今回は、東京の街を紹介するというルールを守りつつも僕の個人的な記憶も描こうと思っています。

今回の場所は水道橋

(途中のラフです。完成した絵は随時Twitterにあげていく予定なのでぜひフォローお願いします!)

水道橋は東京ドームや遊園地が、オフィス街に突然着陸したUFOみたいにそびえている、ちょっと不思議な街です。

僕は野球が好きで、子供の頃初めて東京ドームにいったときの感動は鮮明に覚えています。でも何と言っても僕が水道橋を描きたいと思ったのは、ドームのすぐとなりにある後楽園ホールにボクシングの試合を見に行った経験があるからです。

それは、僕の大学時代の友人がはじめてプロとしてリングにあがった試合でした。

結果から言うと2分もしないうちにKOされて負けてしまったのですが、僕はその試合を見ることができてよかったと思っています。頑張っている姿をみて感動したとか、勇気づけられたとか、そういうものとはすこし違う感覚を持ちました。

なんというか、うまく言えないのですが、「戦い」というものに上も下もないんだな、と感じました。もちろん実力に上下はある、勝ち負けもある。でも、「戦い」そのものは、その人自身の中にしかなくて、それは誰かと比較できるようなものではないんだと、ダウンした友人が立ち上がろうと膝をついているところを見て、そういう気持ちになって、すごく感動したのです。

生で見ると、映像で見るのと違って、ボクシングは逃げる気持ちをごまかせないスポーツであることを強烈に感じたので、そういう部分が伝わる絵にできれば…と思っているんですが、この文章を書くのに思った以上に時間がかかってしまいました笑 まとまりのない話ですみません。

では『東京物語』の原稿に戻ります。今日出来上がれば、明日は#シラナイ一家の続きを。終わらなかったら、またイラスト経過をアップしますね!

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